和裁の縫い方いろいろ

和裁学校では、毎朝の４尺（鯨尺151.5cm）の長さを１本運指してから課題に取り掛かります。

そして、毎月1の付く日に運針（1日）縫美（11日）本ぐけ。（21日）の生徒間でのコンクールをします。

１日の日の「運針」は、4尺の木綿の布に時間を測って5本縫います。

最初の頃は一気に５本縫うと、課題に取り掛かる前に、すでにクタクタになっておりました(^^;)

この写真👆は、卒業生の素晴らしい運指の見本として教室内の壁に掲げられています☆

早い人は運指1本（4尺）を5分くらいで縫うのですが、私は、めっちゃ頑張って8分を切るくらいでしょうか(^^;)

入学当初、先生は「とにかくタイムを恐れずスピードにのって！」「縫い目は気にせず、手の動きを早く！」とのご指導！若い生徒たちは本当にどんどん早く縫えるようになり、私の姪も入学直前までは私よりもたどたどしい指使いだったのですが、入学して最初の試練（？）「3日間で運新90本以上＆タイムレース」があり、最初は「無理かなぁ…」って言っていた姪も、最終日の3目になると90本以上絶対に縫うって気迫で頑張って縫い切りました！ほとんどの生徒は90本以上縫い切り、タイムも凄く縮めるという結果でした！

ちなみに、私は入学前の運針練習で指に針を深く差して傷にばい菌が入ってしまい、入学して2週間ほど針を持つことが困難で、「3日間で運新90本以上＆タイムレース」は残念、その後もしばらくは別メニューで授業を受けました・・・指の怪我がなくても、私の指は固いようで、未だ完璧な運針はできない次第です（涙）

この1年生の「3日間で運新90本以上＆タイムレース」を4年間(4回)見てきたのですが、最高本数が毎年更新されていきます☆和裁学校の生徒たちの頑張りには本当にびっくりです！！！

11日の日の「縫美（ぬいび）」は、1尺の黒の正絹の布に時間を測って1本縫います。

「縫美（ぬいび）」とは、訪問着や喪服に見られる白い絹糸で縫われている「飾り縫い」のこといいます。

👇こんな👇

「縫美」は、一目一目返し縫いをするのですが、糸の引っ張り加減により、糸が生地に埋まってしまうので、慎重に縫っていく必要があります。

端から1分の深さに1寸に11目縫う練習です！

掛衿・褄下・裾と広範囲への「飾り縫い」は、結構時間をがかかりとっても大変な作業です。

しかし、たまに小紋の着物でも「縫美」が施されているモノを見ることがありますが、自分の持っている着物に「縫美」の「飾り縫い」をしてオシャレを楽しむのはいいなぁって思いませんか？！自分の楽しみならば…しんどい作業も、むしろ楽しい…💕

「縫美」☆私の「和裁サークル」でのお楽しみのひとつになりそっ♪

21日の日の「本ぐけ」は、４尺の木綿の布に時間を測って1本縫います。

和裁の縫い方の名称で「くけ」は、「本ぐけ」「一分ぐけ」「三分ぐけ」「耳ぐけ」(他にもあるかも…)などあり、和裁では着物の仕立てでしか使わないような言葉がたくさんあります。

私も「くけ」は和裁をするようになって初めて知った言葉で、ちなみに動詞では、「くける」と言います。

「本ぐけ」は、衿の縫製作業での縫い方のひとつですが、お直しの際に「ぐし縫い」を解いたときなど、縫い目が隠れるように縫えるので「本ぐけ」でお直しします！

この「本ぐけ」は、ほとんどの着物（浴衣・単衣着物・袷着物・羽織・長襦袢…などなど）の衿を納める作業でする縫い方ですが、キレイに衿を納めるのは大変で、未だに「衿納め」なのに「衿納まらず…」何てこともあって解いてやり直すこともあります(>.<)

浴衣や単衣着物の脇や衽の仕立ての縫い方のひとつで「三分ぐけ」という縫い方があるのですが、「三分ぐけ」ができると、ご家庭でのズボンやスカートの裾上げなどにも使えとっても便利です！

「一分ぐけ」は「袖口」の縫い方。

「耳ぐけ」は、男物の浴衣や単衣着物の袖底の縫い代処理や、私が初めて和裁を教わった和歌山の和裁教室では、単衣着物の衽（生地の耳を利用したので！）のくけ処理を「耳ぐけ」にしました。また、私の持っている訪問着のしつけも「耳ぐけ」でした。

和裁はいろんな「縫い方」があり、驚きの「仕立て方」がまだまだたくさんあります。
すでに「完成された仕立て」と世界的に認められているそうで、マイナーチェンジはあるものの、基本が出来上がってからは大きな変化はないそうです。

でも、今、日本人で「和裁」を仕事にする人が年々少なくなっているのが現状です。

私自身、卒業後は「着物」にかかわった仕事をしたいと考えていますが、「和裁士」オンリーでの仕事は私自身の技術的な未熟さもありますが、「商品」を縫うのは本当に大変なので、愉しみとしての「サークル活動」で、「着物の和」を広げられればいいなって思っています(^^)